ブランドジュリエ paris通信 パリ郊外の畑で収穫体験

パリ郊外の畑、
ラ・フェルム・ド・ヴィルタンで収穫体験

秋晴れの月曜日、フランス政府公認ガイドの友人から、
嬉しいお誘いがありました。
「天気がいいので、郊外の農園へ
野菜をとりに行こうと思います。
恵子さんもどうですか?」

パリ近郊には
自分で収穫するスタイルの農園がいくつかあること、
雑誌等の記事で知っていましたが、
まだ体験したことはありません。

友人が誘ってくれたラ・フェルム・ド・ヴィルタンは、
電車とバスでアクセスでき、
気になるバスの本数も多いとのこと。
公共の交通機関で簡単に行ける農園があるなんて最高です!
ぜひ試さねばと思い、彼女に合流しました。

パリ中心から約1時間で到着。そう遠くありません。

ラ・フェルム・ド・ヴィルタンに到着するも、
勝手がわからず、ひたすらうろうろする私たち。
うろうろしてわかったことは、
月曜日の営業は14時からということと
(知らずに1時間も前に到着していました・涙)
農園が経営する売店があって、
そこで農園産の乳製品や他の食品が買えること
(驚くほどおしゃれでした!!)

売店前にベンチとテーブルがあり、ピクニックできること、
私たち以外のお客さんは、みんな車で来ていること。

農園のシステムは、以下の通りです。

なす、ピーマン、トマトなど、各野菜畑の前に看板があって、値段が記されています。
この値段を参考に、自分の好きな作物を
好きな分量だけ収穫し、最後にまとめてお会計。

キュウリやズッキーニは、サイズで値段が変わりました。
例えばキュウリの場合、15cm以下は1kg8ユーロ程度、
それ以上のサイズなら2ユーロ程度。
6kg収穫すると破格値になり、
確か8ユーロ程度だったと思います。

フランスの野菜はキュウリでもナスでも、
日本のものより大振りです。
本当はそこまで大きくしないほうが、
種子の部分が小さく
身が引き締まっていて美味しいと思うのですが。
これも文化。
最近になって、ミニ野菜も出回るようになりましたが。
希少性を反映してか割高です。

6kg収穫すれば激安!
とはいえ、
一般の家庭で6kgの野菜はなかなか消費できません。
友達家族を何組も誘って、
一緒に収穫に行くのが賢そうです。

私たちのこの日の目的は、
ただ単にこの農園を試すこと(知ること)。
お得感は求めていなかったので、
私は15cm以下の高いキュウリと、
20cm以下のやはり高いズッキーニを収穫しました。
せっかくわざわざ遠くまで来たのですから、
自分の欲しい野菜を持って帰りたいです!

それに第一、
キュウリやズッキーニを2、3本買ったところで、
高額にはなりませんものね。

ズッキーニは、緑と黄色の2種類が。
くれぐれも、花をとってはいけません! 
看板にそう書いてありました。

「でもズッキーニの実と一緒に収穫する分にはいいでしょう」と勝手に解釈し、
4本ほど花付きのものをピックアップ。
しかしお会計の際に、
「花はダメなんですよ」と注意を受けましたので、
みなさま、もしラ・フェルム・ド・ヴィルタンで
ズッキーニを収穫される際は、
どうぞ私のまねをなさらないようお願いいたします。
すみません・・・

ビニールハウスもいくつかありました。
私のような未経験者は、
こういう特別な設備に目をひかれるようで、
まず真っ先にここへ直行してしまいました。

トマトのビニールハウスには、
大きくてひだのある形が特徴の「牛の心臓」
という名のトマトや、マルチカラーのカクテルトマトなど・・・があるはずでしたが、
土日のお客さんが収穫し尽くした後だったようで、
赤く実った実は見当たりませんでした。残念。

ビニールハウスではない、露地のトマト畑の方には、
実ったものがいくつか残っていました。
このように、歩いて、見て回るだけで、結構な運動です!!

「フランボワーズは週末にほとんどとられてしまって、
もう残っていませんよ」
と、農園の方の説明でしたが、
私は諦めずフランボワーズ畑の中も歩きました。

とりこぼれのような実が、所々に残っていたのです。
それらを摘んで、
自分の口の中に入れたり、バッグのポケットに入れたり。
友達と話をしながら、ぶらぶらと・・・
青空の下、柔らかい土を踏みながら、贅沢なお散歩。

そしてなんとも素敵なことに、
ラ・フェルム・ド・ヴィルタンには、花畑もありました!
バラ、ダリア、金魚草・・・
花は畑の作物の受粉を助ける蜜蜂のために、
ぜひとも必要なのだそう。
パーマカルチャーの取材をすると、
農作物以外の花や木が
いかに畑にとって重要かを、必ず説明されます。

植物多様性。きっと人間の社会も同じですね。

最後にサラダ菜をとって。
カマがなくても、看板にあるようにこう、
ぐるっと360度回転させれば取れますよ・・・とのことで、
実際その通りでした!
成功すると嬉しい〜!

農園出口にあるスタンドで、
収穫した野菜や果物を計ってもらい、お会計をします。

お会計を済ませてから売店へ行って、
ラ・フェルム・ド・ヴィルタン産の
フロマージュブランを買いました。
2ユーロちょっと。お安い!!
乳製品は、産地で買うとびっくりするほどお安いです。
チーズもそう。

さて、この日初めてラ・フェルム・ド・ヴィルタン体験をし、
次回への気づきがいくつかありました。
みなさんと共有させてくださいませ。

① 軍手、ハサミ、新聞紙(花やズッキーニをまとめるため)、
タッパー(ミニトマトやフランボワーズを入れるため)を
持参する。
現地に箱やビニール袋はあるが、有料。
② バスは朝と夕方に本数が多い。
(11時〜16時は、毎時2本程度)
③ 月曜日は避ける(週末にとり尽くされてしまうので)

驚くことに、パリ旅行中に
この農園で収穫体験をした方もいらっしゃるようです。
確かに、素敵な体験でした。ミニトマトなどは、
3日後くらいの方がかえって美味しかったくらい、
どの収穫物も新鮮でした!

さて、この素敵な体験、
パリジェンヌ等の間でも流行中のようです。
私たちが収穫をした月曜日の午後にも、
数名の若いパリジェンヌの姿がありました。
昨今の環境コンシャスが、
コロナ禍を受けてさらに定着した感があります。

パリジェンヌたちの自然を身近に感じたい欲求を、
パリ最大のデパート、
ギャラリーラファイエットはしっかりと捉えています。
今年もパリを一望する屋上ルーフトップは、
野原のような演出です。
オペラ座、パリの真ん中に出現した原っぱ。

「富士には月見草がよく似合う」ではないですが、
鉄の貴婦人エッフェル塔には、
猫じゃらしが意外によく似合っていると思います。

 

それではまた、アビアントー!

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 Keiko SUMINO-LEBLANC
 パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者

 1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。

keiko’s paris journal <パリ通信 – KSL> パリのライフスタイルを更新中

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