ブランドジュリエ Paris 通信 サロン・デュ・ショコラ2019

パリのサロン・デュ・ショコラ25周年! 前夜祭でとらえた2つのトレンドは?

2019年10月29日、
第25回サロン・デュ・ショコラの前夜祭へ行きました。

「サロン・デュ・ショコラ」というイベントを、
皆さんもきっとよくご存知だと思います。

東京や京都でも開催される、チョコレートの祭典。

発祥は1995年、
ルーヴル美術館のイベントスペースで行われた、
ごく小規模なものでした。

今では世界7カ国で開催されるほどの大イベント、
人気イベントに成長しています。

 

現在、パリの開催は、
ポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場がステージです。

さすが本場は破格のスケールで、
会場の面積はざっと2万㎡以上、
世界60各国から500店舗以上が出店・・・

まさに、チョコレートの祭典ですね!

 

サロン・デュ・ショコラの見ものの一つは、
ショコラティエたちが競い合うチョコレートの彫刻。

ニコラ・ベルナルデさんは、
現代アーティスト、フランソワ・ポンポンのシロクマから
インスパイヤされた、
ホワイトチョコレートのシロクマを作成。

フィリップ・コンティチーニさんによる、
25
周年アニバーサリーパティスリー。こちらも巨大。

 

 

前置きが長くなりましたが、
そんなサロン・デュ・ショコラの前夜祭は、
日本のチョコレートファンにとっては夢!

私は幸運にもほぼ毎年足を運んでいます。

そして毎年、その年ごとのトレンドを発見するわけですが、今年の注目事項は2つありました。

まず1つめは、「日本勢の活躍」です。

日本のショコラティエやパティシエ、食品メーカーなどの
出店スタンドが多かったことはもちろん、

フランスのメーカーとコラボをしたり、
感じのいい和デザインのスタンドがしつらえられたり。

日本文化が大勢の来場者を惹きつけていました。

 

 

お茶の名産地、静岡県の「ななや」のスタンドは、
三角屋根が目を引きます。

チョコレートはすべてホワイトチョコベースで、当然すべてお茶フレーバー。

フランス人にも人気の抹茶はもちろん、
ほうじ茶や玄米茶のチョコレートも好評でした。

 

 

     

木の風合いが美しい、
名古屋の「ショコラトリータカス」スタンド。

建具師が作ったのかなと思うほど、
直線がきれいに整っていました。

そんな整然とした美に、
フランスの人々は「日本」を感じるものです。

ピンクの浮世絵パッケージに入ったチョコレートは、
なんと梅フレーバー!

お店の方によると、
ごくほんのりと梅の香りを感じられるそう。

 

鎌倉の生チョコ専門店「カカオ」は、
花やハーブ、果物を使った新作を発表。

それに合わせて、
パッケージのデザインも花やハーブがモチーフです。

スタンドの演出にも、花がたっぷり! 
とても目立っていましたヨ。

和菓子の細工を実演していた三堀純一さんは、
意表をついたビジュアル系の演出。

紫の髪に、マスク・・・ちょっとジャパン・エキスポのよう?

 

 

フランスの大手菓子メーカー「セモワ」は、
数カ所にスタンドを展開する中で、
こんな風に日本人職人とのコラボスタンドも。

 

 

日仏コラボで最も注目されたのは、
「フィリップ・コンティチーニ」の新作スイーツです。

今年、パリのサロン・デュ・ショコラには
パティスリーも多数出店し、
中でもフランスのパティスリー界の巨匠
「フィリップ・コンティチーニ」の参加は
こちらのメディアで大きく取り上げられました。

その「フィリップ・コンティチーニ」のスタンドで
行列になったのが、日本人パティシエと共同開発した
バウムクーヘンだったのです!

 

「え? バウムクーヘンって、フランスのお隣の国、
ドイツの伝統菓子じゃないの?」

と思われますよね。

私も思いました。
そこでよくよく考えた末に気づいたのは、これは日本のバウムクーヘンなのだということ。
ドイツから日本に渡り、日本で進化した、
洗練系バウムクーヘンは、ドイツにもありません。

今回、サロン・デュ・ショコラでパリ初披露となったフィリップ・コンティチーニのバウムクーヘンは、
フランスのスイーツファンを魅了していました。
日本人が追求した新食感の勝利ですね。

 

 

 

 

さて次に、
今年注目したもう1つは、「グリーンの演出」です。

おしゃれだな、と目を引くスタンドは
どこも、効果的にグリーン(観葉植物)を飾っていました。

 

 

「ジャン=シャルル・ロシュー」は、
大小のグリーンを配したディスプレイ。

 

サダハルアオキの壁面庭園は、もはやトレードマークです。

壁面からマイナスイオンが届くような、この感じ・・・

パリで活躍するフラワーコーディネーター、
濱村純さんが手がけています。

 

台湾のユウ・ショコラティエの花の演出は、
舞台装置ほどに見事でした。

全て生花。分量にも圧倒されますが、
大輪の花のクオリティーも素晴らしかった!

チョコレートには台湾らしさをプラスしていて、
烏龍茶やごま油などを使ったものなど、面白かったです。

 

ベトナムの「マルゥ」は、パリ通日本人の間で大人気ですね。

オート三輪をカスタマイズした可愛らしいディスプレイは、かの地のプランテーションを彷彿とさせます。

実際、カカオのプランテーションで働く面々が、
スタンドにいたのですよ! びっくりしました。

 

 

クリストフ・ミシャラク」の新作タブレットは、
植物柄のパッケージがとても素敵。
カカオの産地をイメージしたイラストになっているもよう。

グリーン・・・
ディスプレイだけでなく、
デザインにも多く登場していました。

 

巨大シロクマの彫刻を作った「ニコラ・ベルナルデ」の
アドベントカレンダーも、ガーデンのイラスト。

やっぱりグリーンです!

 

このように、あちこちで目にしたグリーン。

立ち上げてまだ8カ月という、
フランスの紅茶ブランド「アリックス・エ・サクラ」の
スタンドも、グリーンが心地よかったです。

パッケージもグリーン!

 

チョコレートもパティスリーも、そしてお茶も、
生活に彩りを添えてくれる大切なもの。

グリーンはそれらと同じです。

パリ、そしてフランスでは、インテリアとしてのグリーンや切り花が、ここ数年流行しています。
生活に彩りを添え、心に潤いを与えてくれるグリーンを、
私も積極的に取り入れたいと思いました。

最後におまけとして、今年初参加のパティスリーを2軒。

まずは、「ホテル・ルテシア」。

 

 

「ホテル・ルテシア」は
ブランドジュリエオーナーの中川さんもお気に入りの、
パリ左岸の老舗ホテルです。
百貨店ル・ボンマルシェのすぐそば。

続いては、「ヴェルシオン・オリジナル」。

パリ郊外、イシー・レ・ムリノーの
ショコラトリー&パティスリーです。

 



ジャン=ポール・エヴァンで働いていたパティシエと
ショコラティエが、独立オープンしたお店。オススメです!

 

もう一つおまけ。

「ル・ショコラ・デ・フランセ」は、お土産にぴったり

 

 

 

以上、パリのサロン・デュ・ショコラリポートでした。

それではまた、

ア・ビアン・トー♪

 

Keiko SUMINO-LEBLANC
パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者

1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経て フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
keiko’s paris journal <パリ通信 – KSL> パリのライフスタイルを更新中

 

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