大人気のアスティエ的パリガイドの日本語版がデビューしました。 印刷様式や紙、インクに拘ったアスティエの美意識が詰まった1冊です。 Astier de Villatteのデザイナー、ブノワとイヴァンが彼らの愛するパリを1冊にまとめたガイド本。 活版印刷で作られています。1文字ずつ手作業で活字のハンコを並べるため、大変手間暇がかかります。5世紀にわたって印刷の中心だった技術です。 アルファベットよりも遥かに字種の多い日本語の印刷物を作るのは、より一層の労力と経費が必要とされます。 伝統と手作りを大事にするアスティエの理念により実現しました。 ガイドの装丁はまるで昔の小説本のように美しく、活版印刷の1文字1文字、モノクロの写真、どこをとってもうっとりしてしまいます。 天・地・前小口の三方を金色に塗った三方金は高級感があります。 伝統的な活版印刷で刷られた本は、デジタル印刷にはない、非常に味わい深い美しさがあります。 少し滲んだような、アナログ感のある仕上がりはやはり特別です。 気になる内容ですが、彼らの縁あるレストラン、食料品店、ブティックや美術館などこだわりのアドレスがたくさんつまっています。 読みものとしても楽しめる内容なので、フランス語の辞書を片手にパリに思いを馳せて優雅なひとときを。 インテリアの一部にも。置いてあるだけで絵になる1冊です。世界中の人々を魅了する作品をつくり続けている二人のこだわりが興味深く、また本としての価値も高い一冊です。