ブランドジュリエ Paris通信 アドベントカレンダーの季節

アドベントカレンダーの季節


コロナウイルスの影響で
調子が狂いっぱなしの2020年も、もうすぐ年末。
例年通り、
アドベントカレンダーがお店に並び始めています。

外出制限中ということもあって
今年は
クリスマス商品の展開も自粛ムードが感じられますが、
それでも現在、商店のウインドーやスーパーの棚には
クリスマス商品が並んでいます。

面白いのは、クリスマスの「食品」は販売中でも、
クリスマスの「飾り」は待機状態ということ。
店に並んでいても、
手にとれないように「立ち入り禁止」になっているのです。
確かに、「飾り」は必要最低限ではありませんが、
なんとも切ない風景です・・・

そんな中、アドベントカレンダーは
「食品」扱いということでしょう、堂々と販売されています。
子供たちが今年も、
毎日クリスマスを楽しみに待てるのは何より!

アドベントカレンダー、
きっと皆さんもよくご存知だと思います。
12月1日から24日まで、
小さな扉のついた箱型のカレンダーです。
扉を開けると、
中にチョコレートや飴が入っているのですが、
最近では
コスメや香水の入ったアドベントカレンダーもありますね。

本来はキリスト教の習慣で、
アドベントカレンダーの扉を毎日1つずつ開けながら、
子供たちはクリスマスが来るのを楽しみに待つのが伝統。
子供たちの笑顔と、
家族団欒の情景が、目に浮かぶようです。

フランス語のウイキペディアによると、
アドベントカレンダーはドイツが発祥なのだそう。
もともとドイツには、
クリスマスまでの24日間(または25日間)
毎朝子供たちに
小さな宗教画をプレゼントする習慣があったそうです。
1908年、ミュンヘンの出版社が初めて
日付部分に小さな宗教画を掛けたカレンダーを発売。
1920年には初めての扉型が登場し、
チョコレート内蔵型の誕生は1958年とのこと。
案外新しい習慣です。

せっかくですので、外出制限が始まる前の9月と10月、
プレス会で情報収集したアドベントカレンダーを2つ、
ご紹介させてください。

まずは、DIYの要素が素敵な、
ダロワイヨのアドベントカレンダー2020。
なんと、日付入りのカードが麻紐で結んであり、
これを自分で吊るして飾るデザインでした。
写真では、もみの木の房を添えた木の枝に吊るしています。
インスタグラマーが喜びそうな、ナチュラルなおしゃれ感!
老舗ダロワイヨの、新しいアプローチに感動しました。

もう1つは、ル・ショコラ・アラン・デュカスの
アドベントカレンダー2020。
今年のクリスマスの新作チョコレートは、
インカ産のカカオを使っているとのことで、
アドベントカレンダーのデザインも
インカ美術がテーマです。
イラストレーターは去年に引き続きアガト・サンジェさん。


ここのチョコレート、特にプラリネは、私のイチオシです!!

アドベントカレンダーは、カレンダーとはいっても
日付がバラバラになっているものがほとんど。
「今日はどこかな?」と探すのも、
楽しみのうちということでしょう。
こういう小さな遊び心も微笑ましい!

以下は、
つい先ほど(2020年11月18日午前中)撮影してきたものです。
スーパーのアドベントカレンダー。

大手菓子メーカーはこぞって
この時期にアドベントカレンダーを発売します。
でもこの習慣、
フランスで一般的になったのはいつころでしょうね・・・
私が住み始めた23年前には、
ここまで一般的ではなかった印象なのです。

スーパーのお隣の
ガーデニング専門店『トリュフォー』では、
2週間前には立ち入り禁止になっていた
クリスマス売り場が公開されていました。

トラディショナルな赤を基調としたツリー、
大人ムードのゴールドのツリー、
いろいろなツリーがあります。
どのタイプがいいかな〜と、見ているだけで
気分も上を向く?!

クレッシュもありました。
クレッシュは、イエス誕生のシーンを再現したもので、
正式なクリスマスツリーに欠かせない飾りです。
以前、我が家の子供たちが小さかったころ、
次女がシルバニアファミリーのハウスとフィギュアで
クレッシュを作ったことがあります。
これはなかなか傑作でした。お勧めします!

『トリュフォー』には
エピスリー(食品)コーナーもあるのですが、
なんとボンヌ・ママンのアドベントカレンダーがありました!
大手メーカーでありながらも、子供だましではない
素敵なレトロ感で、高感度なデザインですね。

アーティフィシャルのコーナーは、
この通り、現在もおあずけ状態のままでした。

こちらは「トリュフォー」のウインドーの一部。
クリスマス、と一言で言っても、
いろいろな解釈、いろいろな飾り方があるものですね。

さて、フランス国民が
このおあずけ状態から抜け出せるのは、
予定通り12月1日なのか?
それよりも早いのか、遅いのか?! 
サスペンスは続いています。
本当に奇妙な2020年です。

だからこそなおさら、
この一年の締め括りをきちんとしておきたい、
という気持ちも強まるというもの
フランスの人々にとっての節目の季節、
クリスマスが、
今年も家族と共に過ごせる時間となりますように。

日本の皆さまもどうぞ、お身体大切に!

それではまた、アビアントー!

 

 

 Keiko SUMINO-LEBLANC
 パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者

 1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。

keiko’s paris journal <パリ通信 – KSL> パリのライフスタイルを更新中

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