ブランドジュリエ Paris 通信 おうち時間

快適な暮らしとは?
外出制限で、
もう一度考え直しています。


日本もついに緊急事態宣言。
このブログを書いている2020年4月8日、
フランスのラジオから
「地球上の人口の半数以上が、外出制限にある」と
流れてきました。
コロナウイルスの悲劇は、世界中を覆い尽くしています。
フランスの外出制限は4週間目に入りました。
今やパリジャン、パリジェンヌも、
この生活に慣れつつあるように見えます。
が、だからこそ、気を引き締めなくてはなりません。
本日をもって、
これまで1日1回1時間許されていたジョギングも、
10時から19時の間は禁止になりました。
外出制限が始まった当初、
私は何度も「快適な暮らし」について考えました。
昨今のミニマムライフ礼賛。
日本の片付け本が
フランス語に翻訳され、話題になりました。
所有するよりも借りて済ませる選択や、
街の機能を上手に生活に取り入れて
身軽に生きるライフスタイルが注目され、
私自身もそれを「自由」だと感じていました。
例えば、パリ市の貸自転車サービス「ヴェリブ」は、
私のお気に入りです。
自転車を自分で買って持っているよりも、
必要な時に借りる方が、
メンテナンスや盗難の心配もなくスマートです。
これからは車でもなんでも、所有は流行らない! と。
でも「この考え方は、災害時には通用しない」ということも、
同時に承知していたのです。

そして今まさに、その災害時にあります。
「外出してはいけない」
「自宅にとどまらねばいけない」となると、
これまで街の機能を生活に取り入れていた人は困ります。
例えば、自分の家で料理をせずに、
外食をしてきた人たちは、
「料理はしないから、道具もいらない」ということで、
もしかするとフライパンすら持っていないかもしれません。
そんな状態で突然、外出制限が始まったら?

ちなみに私の場合は、
「住まいは狭くてもいいから、移動の便利な都心部に暮らす」ことを選び、限られた予算のなかで
なんとかパリ市内の物件を購入しました。
そして今、日当たりのない30㎡、道路に面した1階で、
外出のできない生活をしています。

「4年前に住んでいた郊外の家は、
もっと広かったし、眺めも素晴らしかった。
家のなかでエクササイズもできたし、
あの家だったら外出制限も楽だったかもしれないな。」

そう思います。
でも、この現状が通常ではないので、
引越しを後悔してはいません。
とはいえ、やはり、
「自分にとって快適な暮らしとはなんだろう?」
ということを、考え直します。
私にとって、贅沢ではなくても、快適な住まいとは・・・
・ある程度の面積があること。←現在、娘と2人暮らしで30㎡。狭いですが、なんとか許せる範囲です。

・直射日光が入ること。←ほぼ入りません

・窓から空が見えること。←ほぼ見えません

・テラスや庭があれば最高!←ありません

・窓からの景色が良いこと。←歩道にプランターを置いて、少しでも景観をよくする努力をしています。

 

叶えられていないことの方が多いですが、仕方ありません。不動産は大きな買い物で、
なかなか思うようにはいきません。

でも、その不動産の「中身」であるインテリアの方は、
ある程度工夫ができます。

例えば、必要最小限はちゃんと充実させて、
いらないものを持たない工夫。

必要最低限とは、フライパンや鍋、バスタオルなど。
どうせ持つなら、使い心地のいいものがいいです。

いらないものとは、
「いつか使うかも」と思って保管しているもの。
何年も着ていない洋服や、古い雑誌・・・
我が家にはほとんどありませんので、
狭い空間もまあまあスッキリしています。

そして、心に潤いを与えてくれるものと暮らす工夫。
これは絶対に必要!

心に潤いを与えてくれるものとは、
グリーン、アロマキャンドル、上質のお茶などでしょうか。
今、生まれて初めて外出制限を体験しながら、
我が家にグリーンがあってよかった、
アロマキャンドルがあって本当によかったと思っています。

欲を言えば、切り花が欲しいです。
切り花は、その美しさで日当たりのない我が家を
明るくしてくれるだけでなく、
新鮮な香りで住まいの空気を一掃してくれると思うから。
でも、花屋は必要最低限ではないことから、現在休業中です。

なおさら、我が家にグリーンがあったのは救いでした。
日本の皆さんの暮らしも、
今後外出の引き締めが厳しくなると予想します。
それに合わせて必然的に、家で過ごす時間が長くなるはず。
今まで贅沢だと思っていたインテリアが、
本当は人生に不可欠だったということに
気付く方も、多いかもしれません。
これまでインテリアを工夫してきた方は、
自分の作った空間で
満足の行く時間を過ごされることでしょう。
みなさまよりも先に外出制限を経験している私から、
メッセージを送らせてください。
「買い占め情報に心を乱されるよりも、落ち着いて、
快適な暮らしを整える方が得策かも知れませんよ。」
外出制限4週間目のパリのスーパーには、
トイレットペーパーもパスタもあります。
ご自分の時間と人生を、どうぞ大切に。

掲載写真は我が家の朝食と、
外出制限中の室内を盛り上げてくれるグッズ類。
それから、1年前に撮影した近所のカフェの花アレンジです。
切り花は、たとえ素朴な小なものでも、
その場の雰囲気全体を変える影響力がありますね!

それではまた、
ア・ビアン・トー♪

 Keiko SUMINO-LEBLANC
 パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者

1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。
食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。
また、翻訳家として単行本も共著。

keiko’s paris journal <パリ通信 – KSL> パリのライフスタイルを更新中

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